日本全国には至るところに港があります。海外との貿易、また国内の海上輸送に利用するための大きな貿易港から、海やその周辺を見学する観光港、そして漁業の港など様々です。船は港に入る時、巨大なタンカー船やコンテナ船、またどんなに小さな漁船であっても、岸壁に船をつける作業が必要となります。
船を岸壁に着ける作業をご紹介します。特に大きな船の場合、船が岸壁に近づいてくると船の船首(
と 船尾(艫)から数本のロープを海面まで降ろしてきます。そして繋船ボート(別名、綱取りボート)にロープを受け渡し、岸壁で待つ陸上作業員に手渡し、ロープを掛けるビット(岸壁上の設備で鉄製突起物)に掛けます。船はそれを確認した上で、船上で垂れたロープをウインチで張り詰めて固定させます。
次は船を岸壁から放す作業です。しっかりと岸壁に張り詰めたロープを船上から緩めます。そして船の合図によって岸壁の作業員がビットから手動でロープを放し、それを船は巻き取っていきます。比較的小さい船は自然と岸壁から離れて行きますが、大きな船はタグボートの力を借りて港の外に出て行きます。
以上のような「船を岸壁(陸)に繋ぐ、そして離す」という一連の作業、それを繋離船作業と称し、別名を「綱取り作業、綱放し作業」とも言います。
その作業を事業としている会社は全国に所在していて、事業者間で作業の機能性や効率化の情報交換、各港を取り巻く問題や課題に取組くむ目的で昭和48年9月に発足されたのが「日本繋離船協会」です。
港には港湾の事業としてあらゆる役割があります。港の岸壁を管理する行政、大型船を無事に岸壁に誘導する水先案内人、そして接岸の補助となるタグボート、船主に代わって必要な手続きをする船舶代理店業、船の内外で荷役事業、税関手続きをする通関事業、荷物の数量等を測る検定協会など様々であり、我々の「繋離船事業」もその一つです。しかし一般的には、余り知られていません。そこで「日本繋離船協会」は広く啓蒙活動を展開すべく、この度ホームページを開設することにしました。ご覧下さい。
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